構成はとてもシンプルで、A/B テストの必要性や実施方法などの解説のあとに、具体的な事例を載せてA案とB案のどちらだと改善できたかといったクイズ形式が大半を占めています。回答とその理由についても説明があり、自分も考えながら読み進められるため、とても理解が深まる内容になっていました。読んで学んだ内容を簡潔に書き残しておきます。
*構成
1. なぜA/Bテストが必要なのか2. A/Bテスト事例集
*A/Bテストの必要性
A/Bテストのような改善活動(グロースハック)は、いかに効率的に少ない時間とお金で最大の効果を得るかを追い続ける活動です。サイト改善活動はフェーズによって実施すべきことは異なり、立ち上げ時期はPRといった集客、成長期はA/Bテストといった売上、成熟期はA/Bテスト外注化といったコストダウンが求められます。
LTVを上げにいくことは大変難易度が高いため、サイトを改善してCVRをあげていくことが長期的に考えても効率の良い手段です。
*改善プロセス
改善プロセスは、まずビジネスモデルを整理しKPIを設定するといった改善の定義を考えます。その次にサイトを分析し、ボリュームが大きく離脱などの負が大きい箇所から改善していきます。そしてページごとに UI/UX の課題の仮説を立て、効果が高いと考えられる観点から改善し、テストをします。*KPI
KPIは行動とその結果を紐付け、見える化するためのものです。売上金のKPIは、訪問回数×CVR×客単価で求められます。KPIは、テーマは具体的か、第三者が定量的に測定可能か、現実的に達成可能か、成果に基づいているか、期限がついているか、といったことを意識して設定します。*改善方法
一覧ページの目的は詳細ページにユーザーを遷移させることであるため、比較や選択の判断がしやすいこと、再検索や絞り込みがしやすいことが重要です。詳細ページは情報やアクション導線がわかりやすく、意思決定できる情報の近くに配置されていることが重要です。
フォームページは最後のアクション完了に必要な情報を全て入力完了してもらうことです。そのために入力のモチベーションが落ちないためのアイキャッチエリアでの訴求や、入力の手間や負荷を最大限下げた入力エリア、アクション導線が必要です。
*補足
- 選択はユーザーにとってストレス
- 遷移しなくても最低限の比較できる情報を表示
- ユーザーの不安を下げる工夫をする
- 入力にかかる時間を明記することでモチベーションアップ
- ユーザーは希望に合う情報をなるべく多く一度に見たい、どの情報がより自分の好みに近いか比較したい
- 数字は心を動かす(いくらお得なのか等)
- Webサイトは表示されるまでに3秒かかると7割は去っていく
- どれだけ時間がかかるかわからない状態はストレスなので、動画にかかる時間などを明記して心理的なハードルを下げる
- 解釈が必要になるとストレス
- 入力フォームはどこを入力するのか、上から順番に入力すればいいと感覚的に把握させる
- 優先順位の高い訴求を上位に配置する
- 長いランディングページだと下にある情報の存在に気づかれない可能性があるため、それを気づかせるアンカーリンクを置く
*単語
- CPA(Cost Per Acquisition)— 顧客獲得単価
- LTV — 顧客生涯価値
- CVR(Conversion Rate)— 獲得率
- SEO(Search Engine Optimize)— Googleなどの検索エンジンで検索した際に結果に上位に表示される為の様々な施策。
*所感
普段目にしているサイトにおいて、ユーザーの目にとまるような配置にしたりストレスを減らすための様々な工夫がされていることを実感しました。なんとなく良さそうでなく、言語化して改善案の良さを説明できるようにしていきたいです。A/B テストをこれからやりたいと思っている人、サイトを改善したいけれど何をしたらいいかわからない人にとって大変役立つ書籍だと感じました。
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